約30年の年月を隔ててようやく並んだ1巻と2巻。それを眺めているだけでもハッピーになれるというものです。ヘンレの表紙の色って、昔と比べるとグレーの色調がかなり青みを帯びていますね。
さて、2巻には『ディアッベリ変奏曲』や『トルコ行進曲』をはじめとして、有名な難曲が満載です。試しに手に当ててみたのは次の3曲です。
1.「プロメテウスの創造物」の主題による15の変奏曲とフーガ(エロイカ変奏曲) Op.35
交響曲第3番『英雄』のフィナーレでも使われていることで有名な主題による、激烈に難しく、かつ、長大な変奏曲です。主題が提示される前にイントロダクションが置かれていて、最後の変奏が終わった後にはフーガまでついてます。そして、そのフーガが長い!!
☝ブレンデルの演奏です。
関心のあった曲ではあるのですが、自分で弾いてみようなどと思ったことは一度もなく、今回初めて、途中棄権を覚悟で無謀な挑戦をしてみました。もちろん、ブレンデルみたいなテンポではありません。予想以上に惹き込まれてしまい、ぐだぐだヨレヨレになりながらも、2回も通してしまいました。自分でもビックリです\(◎o◎)/!
☝もう一つ、井上祐子さんという方のフーガ以降の終結部の抜粋を貼っておきます。フォルテピアノ(古楽器)の響きが重すぎず心地よいです。
この曲は、ほぼ練習曲だった1巻の収録曲と違って、芸術性に雲泥の差があります。英雄交響曲のフィナーレで親しんできた主題なので初対面の気がしないのは当然として、それにとどまらず、どこかで聴いたことあるよなぁと思いながら弾いていたら、何のことはない。手持ちの、なかみっちゃんのソナタ全集に収録されてました(*´▽`*)
2.「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲 WoO.78
『エロイカ変奏曲』とは打って変わって、ライトな内容で楽しめます。といっても十分すぎるぐらい難しいのですが…(^^;;
ゴッド・セイヴ・ザ・キングは、イギリス国歌です。ベートーヴェンの時代から、というか、それよりずっと前から国歌だったなんて、イギリスの歴史を感じさせてくれます。
この曲もかなり気に入ったので2回通して弾いてみました(≧▽≦)
☝再びブレンデルさんの演奏を貼っておきます。
そういえば、ゴッド・セイヴ・ザ・キングは、去年、オルガンの音で録音したのがブログ内のどこかにあります。変奏曲ではなく、国歌のバージョンです。余談ですが、今のイギリスは女王陛下が統治しているので国歌名がゴッド・セイヴ・ザ・クイーンになっています。
3.創作主題による32の変奏曲 WoO.80 ハ短調
再び難曲です。とても印象に残る、ベートーヴェンのハ短調らしい曲です。これは、なかみっちゃんのCDに入っていたのをよく覚えています。玉砕するだろうと思いつつ、なかみっちゃんごっこ(?)をしたい誘惑に逆らえず、1回だけ通して弾いてみました。
作品番号無しですが、ベートーヴェンが35歳ぐらいの時の作品らしく、充実しています。これも、1巻の収録曲とは芸術性も難しさも格が違います。
☝PTNAから引っ張ってきた、上野優子さんという方の溌溂とした演奏です。
あと、弾こうと思ったけど挫折したのは…。
1つは『トルコ行進曲』。そこまで難しいとされているわけではないと思うのですけど、私には苦手なタイプです(>_<) 主題からいきなり苦戦してそのまんま放棄しました。曲自体、そこまで入り込めなかったというのも大きいです。
もう一つは、禁断の『ディアッベリ』です。ベートーヴェンの変奏曲の頂点とされる曲ですから、変奏曲集第2巻の楽譜を買っておいて全く弾かないのもどうかと思い直しました。でも、残念ながら、いや、むしろ当然ながら、楽譜を(文字通り音出さずに)読んだだけで投げ出しました。だいたい、「33の変奏曲」ってどういうことよ~~Σ( ̄ロ ̄lll)!!
そんなこんなで、ベートーヴェン祭り・番外編の続編も、楽しい充実した時間になりました。当初の予定とは全く異なる展開ですけれど、本編以上に番外編のベートーヴェン祭りを堪能してます。あと、つくづく「やってて良かったカール様」と実感しました。指の動きが以前とは全然違い、音を外しまくるにせよ、鍵盤を「もわ~っと」ではなく「しっかり」とらえることができるようになってきた気がします。カール教の修行に励む意欲もますます高まってきたようです(^o^)丿笑
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