FC2ブログ

NekoUshiの音楽帖+α

ピアノを弾き散らかし、音楽を聴き散らかし、音楽と戯れています。

 

メモ:減7の和音あれこれ

強烈な緊張感と不安定な響きが独特な「減7の和音」という存在には、とても心惹かれます。今回は、減7の和音についてちょっとしたメモを書いてみたいと思います。・減7の和音は世の中に3パターンしかない♪まず、減7の和音の見かけは、短3度の等間隔で音が4つ重なっているというものです。1番目の音から4番目の音までが減7度になるので「減7の和音」。そのまんまですね。そして、世の中には次の3パターンしか存在しません。左から順...

続きを読む

強烈な緊張感と不安定な響きが独特な「減7の和音」という存在には、とても心惹かれます。今回は、減7の和音についてちょっとしたメモを書いてみたいと思います。

減7の和音は世の中に3パターンしかない♪
まず、減7の和音の見かけは、短3度の等間隔で音が4つ重なっているというものです。1番目の音から4番目の音までが減7度になるので「減7の和音」。そのまんまですね。そして、世の中には次の3パターンしか存在しません。
減7の和音は3つだけ
左から順に、半音ずつ上がるように並べていますが、(3)をさらに半音上げると、【ミ♭ファ♯ラド】。これは(1)の「転回」ですので、結局同じものですね。以下同様。音が等間隔で並んでいるのでそうなってしまいます。
そうそう、この譜例の♯と♭は適当に付けているわけではなくて、それぞれある調に属するという意味が明確になるように付けています。詳しくはまた後で。

・減7さんの本名は実は別にある?根音がない!?
和声を考える上では、トニック(主和音)なのか、ドミナント(属和音)なのか、サブドミナント(下属和音)なのか、和音の機能が分からないと不便です。というか、逆にそれを決めるのが和声法と言うべきでしょうか。そうすると「減7」というのは何だかよく分からない(笑)
実は、正体は属9の和音の一種です。つまり、基本的にはドミナントなのですね。減7さんの本名は「属9の和音の根音省略形」です。しかも短調限定です。分かりづらいので図にしましょう。
属9の和音
ここではハ短調で考えています。和声の話なので、和声的短音階上の音を使います(『メモ:短音階とか導音とか・・・』参照)。ハ短調のドミナントの基本形は属音のソを根音として【ソシ(ナチュラル)レ】。ハ長調と同じです。さらに3度上の音を乗せると属7の【ソシレファ】。これもハ長調と同じ。さらに3度上の音を乗せて5音にすると、【ソシレファラ♭】。これが属9です。長調だと【ソシレファラ】(ラ♭はハ長調の音じゃない)となります。属9は短調と長調で別の和音になるのです。
短調の属9では、根音(ソ)と一番上の音(ラ♭)の音程が短9度。これって、オクターブ+半音、結局、半音違いの音が同時に鳴るということ。それはいくらなんでも気持ち悪いぞ、何とかせねば(笑) で、何とかした結果、根音が負けて省略され(右側の形)、【シレファラ♭】。ハ短調の減7の和音にたどり着けました(≧▽≦) そして、導音のシが調の決め手として重要です。

・異名同音で変幻自在、転調の名手\(◎o◎)/!
減7の和音は響きが独特というだけはなくて、異名同音(ソ♯とラ♭みたいなの)の読み替えによってあっさり遠隔調に転調できる機能があります。早速、具体例を見てみます。
減7の和音、エンハーモニック転調
一番左は、最初の図の(1)の並べ替えです。これが何調に属するかというと、♭と♯が同居している場合は、♯の音は和声的短音階の導音と考えてだいたい間違いないです。ファ♯が同音の短調はト短調ですね(って、図に書いてしまってますが)。それを真ん中のように並べ替えます。そして、例えば、ミ♭をレ♯に、ドをシ♯に読み替えてみます。この場合はシ♯が導音で、嬰ハ短調です。ト短調から嬰ハ短調まで飛んじゃったよΣ(・ω・ノ)ノ!自分で例題を作っておきながら、かなりビックリです。減7さん、恐るべし!笑

最後まで引っ張ってしまった、というか、あやうく忘れかけてた最初の図の(2)と(3)の調性ですが、(2)はド♯が導音でニ短調、(3)はソ♯が同音でイ短調です。実際に曲中に出てくるときは、異名同音の読み替えがあるので、そう単純には決められないとは思いますが…。

今回は、何かと刺激的で興味深い、減7の和音についてあれこれ書いてみました(^^♪
こんな記事書いてるけど、実際に演奏する時は、しっかり和声分析せずに、「あ~、転調した」とか「この和音の響きは印象的なので大事にせねば」とか、ものすご~く感覚的に(適当に?)済ませていることがほとんどです(笑)


にほんブログ村
スポンサーサイト

* Category : 楽典・和声法

Tag: 減7の和音 | Comment-open▼ * Comment : (2)

ドンピシャリ! * by 名無しさん
変なタイトルでごめんなさい。
前々回の短音階のことである曲が気になり、
つい昨日、
楽譜(全音ピース303、妖精の踊り)を引っ張り出して弾いていました。
nekoushiさんはこの曲をご存知ですか? 
よくフルートでも演奏されるようです。
中に出てくる音階は確かに和声的短音階で、やはり”ゆゆしき”雰囲気を醸し出しています。(旋律的短音階ではだめ)
でも、それ以外でもいつも聞くたび、弾くたびに、胸がえぐられるよう和音があって、
それが、今回のテーマの減7なのです!
もし、和声的な音階 そして、減7の和音がなければ、
単にしっとりとしたニ短調の曲になってしまうような気がします・・・
音の力は不思議なものですね!
興奮していて文がまとまらなくてすみません。
しばらく忘れていた曲を思い出させてくださってありがとうございます。
またおもしろいお話を楽しみにしています。



Re: ドンピシャリ! * by Nekoushi
名無しさま、コメントありがとうございます(^^♪

『妖精の踊り』は、グルックのオペラの中の曲ですよね?
昔、オーケストラ版を聴いたことあるのですが、あんまり覚えていなくて…。
コメントを頂いて、あらためて聴いてみました!

確かにおっしゃる通り「ドンピシャリ!」ですね(≧▽≦)

> 音の力は不思議なものですね!

不思議に満ちていて魅力的ですよね!

> 興奮していて文がまとまらなくてすみません。

「こういう演奏を聴きたい」と思ってコンサートに行ってみたら、思い描いた通りの演奏だった、みたいな…?笑
もしそうだとしたら、とても嬉しいです。

> またおもしろいお話を楽しみにしています。

こちらこそ、音楽について色々お話できて楽しいです。