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いづみこ先生に学ぶ「タッチと音色のいろいろ」

最近すっかりハマっている『指先から感じるドビュッシー』(青柳いづみこ著、春秋社)より、今回は、色々な音色の出し方についてのタッチの解説を取り上げます。昨日の脱力に関する記事で「機会があったらご紹介します」なんて書きましたが、善は急げです!!

以下、同書の「タッチ音色のいろいろ」と題する章の要点メモです。
いづみこ先生の文章は、いつもながら、とても分かりやすいです(≧▽≦)

・のびる音
タッチのスピードと深くかかわっている。スピードが速すぎると固く冷たい音になる。アタックせず、指の腹でじわっと、しかし、ある一点で確実に鍵盤の底に力を伝えるように工夫すると、あとになってぐっとのびる音が出る。たっぷり響かせたい時は「じわっと」のタッチに重さの助けを追加。

・鐘のような音
指先を固く金属の棒のようにする。腕全体が鐘を響かせる撞木(しゅもく)のようなイメージで、タッチしてからすぐにペダルの中に開放する。そうすると、カーン、チーンといった音が出る。

・ボーンという音
肩を起点に腕全体を使って、重さを十分にかけて音を出す。かかった力は手首や肘で逃がす。そうしないと固い汚い音になってしまう。

・歌う右の4の指
4の指は一番弱いが一番歌える指。ショーパンのノクターンなどで、右手の4の右端を使って、鍵盤にぴったりくっつけたまま少し手首を向こう側に返すようにすると、甘い、おねだりするような音が出る(*´▽`*)
(私は、10本の指の中で右手の4の指が一番萌えます(笑))

・音をべったり練る
指のしなりを利用して、ピーナツバターをすくうように粘っこくタッチする。メロディの歌い出しなどで、もっとはっきり意思表示したい時は、右手の5を肘から落とすようにする。落ちる瞬間に肘や手首のクッションを使って、固くならないように。

・星のようにキラキラ光る音
根元の関節のバネを使い、指先を少し手前にひっかくようにする。音の響き方は、指先にどれだけ集中させるかによって決まる。光らせたい時は指先を尖らせ、柔らかくしたい時は力を分散させる。

・ダイヤモンドのようにギラギラした音
指先はしっかりひっかきながら、腕の上下運動を併用する。

・強弱
重さを使う方法と指の力で出す方法があり、たいていは両方の合わせ技を使う。

・旋律の弾き分け
フーガなど対位法的な作品で必須の、旋律の弾き分け。強弱ではなく音質で変化をつけるのが理想。弾き分けはタッチのスピードと圧力のかけ方次第で決まる。たとえば、上の線を少し固めの指でスピードの速いタッチで弾き、下の線はやわらかめにじわっと弾く。一方の線には重さをかけ、片方にはかけない。出したい線は指を曲げ、控えたい線はのばす(角度による調節)。などなど。

この章の締めくくりでは、次のように書かれています。

「自分の音をよく聴きなさい」というのは簡単ですが、(中略)「音が出ていない」状態では、聴きたくても聴く音がありません。自分の「歌」を伝えられる音が出て初めて、それを聴き、あとにつづけていくことができるのです。そして、そうした「音」たちの連なりが「モティーフ」であり「フレーズ」であり、「主題」であり「展開」であるのです。

たかが音というなかれ。すべては、たったひとつの「のびる音」から始まるのですから。


まさに底なし沼の深い音の世界です!!
そこが楽しいのですけどね(^^♪ というか、それが楽しいと思えなければ続かないです~~


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tag : 音色,タッチ,青柳いづみこ,指先から感じるドビュッシー,

脱力が大切だと口で言うのは簡単だけど・・・

ピアノを弾くのに無駄な力を入れてはいけないのは言うまでもありません。「無駄な力を入れちゃいけない=脱力」なのですが、私の中では「脱力」という言葉は、使うのをできるだけ避けているような気がします。どこがスッキリしないのか考えてみると、どうも得体が知れないから…(^^;; 

でも、先日購入した青柳いづみこ先生の『指先から感じるドビュッシー』の中にスッキリした説明がありました。それによると、「ピアノをひくときに脱力が一番大切だ、と口で言うのは簡単ですが、どこかで支える点がなければ力が抜けません」。そう言ってもらえれば腑に落ちやすいですね。その支える点は、具体的には指の一番根元の関節(第3関節)だそうです。そういう明確な説明が欲しかったのよ~~!!で、根元の関節を鍛える方法が載っていたのでご紹介します。いづみこ先生の命名によれば「逆立ち体操」だとか…。

曲げた指ものばした指も、基本になるのは指の根元の関節です。毎日逆立ち体操をして、腕の重さを支えられるしっかりした関節を準備しましょう。各指1本ずつで1)~5)の動作(注:下記)をやります。


ということで、1)~5)の動作をしている自分の手の写真を撮りたかったのですが、難しかったので、本のイメージ画像とともに見て行きましょう。

1)ピアノのふたの上で各指を逆立ちさせ(注:逆立ちというか垂直に立てるといった方が分かりやすいかも?)、根元の関節で重さを支える。→そのとき、他の指(とくに親指)の力が抜けているかどうか確かめる。
逆立ち体操(1)
2)根元の関節に重さがかかった状態で、ゆっくり手首を下げていく。

3)指を曲げた状態(指の先に鍵盤(の蓋)があたる)で止める→そのとき、根元の関節がしっかり出ているかどうか確かめる。

4)指をのばした状態(指の腹に鍵盤(の蓋)が当たる)で止める→そのとき、各関節(とくに第2)がマムシ(注:逆向きに反り返る)にならないように気をつける。
逆立ち体操(2)
5)曲げた指ものばした指も、そのままの状態で各々50ずつ数える。(最初は10ぐらいでもいいらしいですが)


早速試してみましたよ~~
私は、5の指以外は苦しくありませんでした。50でも100でも数えますよっ、て感じで(笑)
指の脱力は比較的よくできている気はしていましたが、「逆立ち体操」をやってみて、「既に第3関節がしっかりしていたからか~~」と納得できました。たぶん、子供の頃に正しい弾き方を教わっていたということでしょうね。幸運なことで、ありがたいです。

指に無駄な力を入れないことは(←やっぱりこっちの表現のほうが好きらしい(笑))、指を痛めないためにというのはもちろん、しっかり歌う音を出すとか表現の上でも重要ですね。引用ばっかりで恐縮ですが・・・

のびる音、歌う音をだすためには、手指が完全に脱力している必要があります。そして完全な脱力を得るためには、根元の関節が重さを支えられるくらいに十分にしっかりしている必要があります。関節が弱いのに力だけ抜いても、ふにゃふにゃした音しか出ません。



最後の一文、そうそう!そうなのよ~~!!と思います。

「逆立ち体操」は効果があると思いますので、おススメです。
今回やってみてダメだった5の指については、私もやってみようと思います(^o^)丿

機会があったら、この本の、のびる音、歌う音など色々な音の出し方についてのタッチの解説も紹介しますね。


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tag : 脱力,青柳いづみこ,指先から感じるドビュッシー,

『指先から感じるドビュッシー』が届いた~♪♪

前からずっと読みたいと思っていた『指先から感じるドビュッシー』(青柳いづみこ、春秋社)が届きました。ドビュッシーのエキスパート、青柳いづみこ先生の読み応えのある本です(≧▽≦) 安川加寿子先生の門下生で、文筆業とピアニストの兼業で活躍されていることで有名ですね。
指先から感じるドビュッシー

帯に書いてあった紹介によりますと「19世紀末の美意識、作曲家が愛した絵画、文学、人など、作品の文化的背景を紹介し、その演奏技法を詳しく解説。自分で自分の解釈を選びとるための多角的レッスン」だそうですが、パラパラとめくってみら、まさにそんな感じでした。

取り上げられている曲は、

・アラベスク第1番
・アラベスク第2番

《映像》第1集より
・水の反映
・運動

・小さな黒人
・忘れられた映像

ドビュッシーのお引越し

《前奏曲集》第1巻より
・デルフの舞姫たち
・帆
・亜麻色の髪の乙女
・沈める寺
・ミンストレル

《子供の領分》より
・雪は踊っている
・ゴリウォーグのケーク・ウォーク

これらの曲の演奏技法、運指、演奏するための基礎練習、背景の解説が図解入りでとても詳しく書かれています。どうやったらオシャレで色彩感覚豊かな表現ができるのか、この本を読むと沢山の実践的なヒントをもらえそうです。一口にスタッカートやレガートと言っても、豊富で、それに応じて数多くのタッチも工夫しないといけません。ペダルも細やかさが求められます。そういった技術的なことも細かく書いてくれているので有り難いです!!しかも、文章が上手いし、固くない話題(ドビュッシーは女性の長い黒髪フェチだった、とか(笑))もうまく混ぜているので、肩に力を入れ過ぎずに読めます。

本の冒頭には「ドビュッシーが好きだった名画」というコーナーがあって、目を楽しませてくれるとともに、ドビュッシーの音楽が絵画と密接な関係にあることがよく分かります。ドビュッシーは、おどろどろしい絵画も好きだったらしく、けっこう不気味な曲を書いているのも納得できました。

各曲の解説の後は、「タッチと音色の色々」「指先から感じるドビュッシー」「耳と足先から感じるドビュッシー」「タイトルの意味を間違えなくとらえよう」と続き、各曲の解説とは少し違った切り口からドビュッシーに迫ります(*´▽`*)

「ドビュッシーらしさ」のよく出た演奏について、いづみこ先生は

 こうじゃなければいけない…というのはないのですが、よくみかける傾向として、音が厚くなりすぎた「ブラームスみたいなドビュッシー」、というのがあります。それはちょっと違うんじゃないかな?と。
 ドビュッシー自身は「物事を半分だけしゃべって、残りの半分は聴いている人の想像力にまかせるような音楽を書きたい」と言っていました。
 だからロマン派を弾くときみたいに、全部の気持を音楽に託してしまうとか、表面的に演奏効果が上がるような弾き方をするとか、そういうのはちょっと合わないのではないかと思う。



と書いておられます。これはショパンやモーツァルトに通じるような気がしますね。彼らも音楽に関しては「節度の人」ですから…。

読んで楽しい、生徒の役に立つ、先生にも役に立つ、素晴らしい本を手にして、とても嬉しいです。ドビュッシーの世界への関心が深まりました。おススメの本です!!


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tag : ドビュッシー,青柳いづみこ,指先から感じるドビュッシー,

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プロフィール

NekoUshi

Author:NekoUshi
◆数年おきにピアノがマイブームになり、挫折と再開を繰り返しています。
◆バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンが特に好きです♪
◆レッスン歴は、子供の頃と大学生の頃(25年ほど前)に少々。現在は独学です。
◆独学の記録を時々「セルフレッスン」という名の仮想(妄想?)レッスンの形に仕立てて書いてます♪

練習中&終了曲
◇レッスン課題
・チェルニー40-31番
・ベートーヴェン ソナタ第22番ヘ長調

◇ベートーヴェン祭り
・ベートーヴェン ソナタ第28番イ長調~第3楽章

◇一時休止中
・バッハ 平均律第1巻17番 変イ長調

◇憧れの無謀曲 寝かせ中
・リスト『バラード 第2番』
・シューマン『幻想曲』第2楽章

◇2020年の終了曲
・シューマン 3つのロマンス~第2番 嬰へ短調 Op.28-2

◇2019年の終了曲
・チェルニー30-23番
・チェルニー40-27、28、29、30番
・チェルニー左手24-19番
・バッハ シンフォニア14番、12番、7番
・ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第10番ト長調~第1楽章
・ショパン『幻想即興曲』
・メンデルスゾーン『春の歌』

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