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NekoUshiの音楽帖+α

ピアノを弾き散らかし、音楽を聴き散らかし、音楽と戯れています。

 

プロも「ハイドン苦手」!?-交響曲編

私が今練習している曲の一つはハイドンのピアノソナタ34番ホ長調(Hob.XV:34)ですが、私の口癖の一つに「ハイドン弾くの苦手」というのがあります。一つには(というか最大の理由は)、私の指が、大量に出てくる高速のパッセージを処理する能力に乏しいからです。当時の軽いタッチのフォルテピアノだったらもう少し弾きやすいかもしれません。ただ、最近、練習を積み重ねるに従って、曲の内容の面でも一筋縄ではいかないような気...

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私が今練習している曲の一つはハイドンのピアノソナタ34番ホ長調(Hob.XV:34)ですが、私の口癖の一つに「ハイドン弾くの苦手」というのがあります。一つには(というか最大の理由は)、私の指が、大量に出てくる高速のパッセージを処理する能力に乏しいからです。当時の軽いタッチのフォルテピアノだったらもう少し弾きやすいかもしれません。ただ、最近、練習を積み重ねるに従って、曲の内容の面でも一筋縄ではいかないような気がしています。

そう思いながら、ハイドン交響曲に関する本『ハイドン 106の交響曲を聴く』(井上太郎、春秋社)を読んでいたら、その中に引用されている指揮者の岩城宏之さんの次の言葉が、なるほど!!と、とても腑に落ちました。

百以上書かれたハイドン交響曲は、気軽にきいていれば、どれも単純明快で、テンポ変化もないし、始まればそのまま、一気呵成に終わってしまえるように思える。しかしちょっと調べると、フレーズの入りくみ方など、モーツァルトやベートーヴェンよりはるかに複雑だし、第一、アンサンブルの難しさは、後のロマン派の作曲家たちの比ではない。(中略)こんなにも複雑で、しかも単純明快に聞こえると言うのは、音楽史上数多い天才たちの中でも、特別にものすごい人だったと思う。(『楽譜の風景』(岩波新書)より)


岩城さんは指揮者なので、交響曲について言っていますが、ピアノソナタにも共通すると思いました。今弾いているソナタ34番は、対位法的処理はあまり目立たない曲ですが、それでも、「フレーズの入りくみ方」がややこしいと思える部分は結構あります。

それから、ハイドン特有の唐突さ、つまり、強弱の急激な変化とか、休符の大胆な使い方による急停止・急発進的な曲想には、スムーズに入り込むのが難しいように思えます。「入り込む」といっても、ロマン派以降とは違うものが求められている気がします。しかも、唐突でありながら古典のかっちりした枠組みを壊してはいけない。いや、かなり難物ですよ(^^;;
この点は、ハイドンの交響曲44、51、52番を収録した手持ちのCDの解説書に書いてあった次の部分(音楽学者の飯森豊水さんという方が書いている)が、これもピアノソナタにも通じる!と納得できました。

ハイドン交響曲の演奏でいつも問題となるのは、一言でいうならば、内容的な表現と形式感のバランスである。ハイドンにおける、感情的、情緒的な表現、ユーモアのセンスなどは彼独特の形式感と分かち難く結びついており、こうした内容的な表現を強調し過ぎては形式を見失ってしまうし、逆に、表現を抑制し過ぎてただ形式を整えるのみでは作品の面白みは失われてしまう、一般的にハイドンを演奏する際に指揮者が苦労するのは、その感情的・情緒的な内容を見つけ出して表現することよりも、そうした内容を充分に織り込みながら堅固な形式感のうちに捉えることができるか否かという点にかかってくるのだ。


ハイドンの交響曲は、プロの指揮者も「苦手」と言うぐらい難物なのに、人気の面では…??ですね。ま、ビジネス的にと言うか、大人の事情を考えますと、取り上げる機会がごく限られてしまうのも仕方ないかもしれません。勿体ないことではありますが…。

せっかくですので、上記のハイドンの特徴が一番よく出ていると思われる、中期の交響曲の中から、今練習しているソナタと同じ調性の傑作、交響曲第44番ホ短調『哀しみ』のYouTube音源をご紹介しておきたいと思います。とても心惹かれる好きな曲です。


指の運動の問題を早くクリアして、上記のような課題に焦点を当てて取り組めるようになりたいものです。「ハイドン弾くの苦手」ですが、ハイドンって、課題としてはチャレンジングで意外と楽しいんですよね~~

あと、ショパンみたいに専らピアノ曲しか書いていない作曲家は別として、シンフォニーや弦楽四重奏などピアノ以外の色々なジャンルの作品を聴くことで、ピアノの練習も音楽鑑賞も相乗効果的に楽しさが増しますね(≧▽≦)

余談ですけど、次の記事が200本目です!
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* Category : その他の曲の鑑賞・考察

Tag: ハイドン 交響曲 哀しみ 岩城宏之 | Comment-open▼ * Comment : (2)

* by モル作
ハイドンさん、難しい曲だらけですねぇ。。
規模が大きい曲の割合が高めってのもあるかもですが、弾けそうな曲すらまだ見つかりません( ;´Д`)

管弦の人たちはピアノの人たち以上に、ハイドン難しいって印象を持ってるらしいです。

To:モル作さん * by Nekoushi
モル作さん、コメントありがとうございます!

ささっと弾ける小品もあるのでしょうけど、ハイドンは曲数が膨大なので探すの大変そうです(*_*;
短くはないですが、ソナチネアルバムにも収録されているハ長調のソナタはいかがでしょう?

> 管弦の人たちはピアノの人たち以上に、ハイドン難しいって印象を持ってるらしいです。

なるほど〜〜
この辺りのお話、奥さまが詳しそうですね!