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ベートーヴェンの「ハイパー・ピアノソナタ」!?

ベートーヴェンの最後期の5曲(28~32番)があまりにも凄いので「ハイパーソナタ」と名付けてみました、という話ではありません。と書きながら、そういう話の展開もアリだなと気づいたのですが、初めに思いついた通りの線で話を進めます。

曲名で「ソナタ」っていうの、よくよく考えてみると厄介です。もともとは多楽章の器楽曲(室内楽曲の場合も)という曲のスタイルを表していたのですね。例えば、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとか…。で、古典派の時代以降、ソナタ形式(提示部(第1主題・第2主題)-展開部-再現部)が発達してくると、曲名としての○○ソナタの意味は、「主要楽章がソナタ形式をとる、○○のための多楽章の曲」という感じになりますね。ソナタ形式を使っていても、弦楽四重奏が対象の場合は「弦楽四重奏曲」、管弦楽の場合は「交響曲」です。「弦楽四重奏ソナタ」とか「管弦楽ソナタ」になっても良さそうなんだけど、慣習とか伝統なのか、そうなりませんでした。

前置きが長くなりましたが、ベートーヴェンの「管弦楽ソナタ」、つまり交響曲をピアノ版に編曲したら「ハイパー・ピアノソナタ」になるよね?という話です。けっこう有名なのでご存じの方も多いと思うのですが、かのフランツ・リストが編曲してます。リスト様の編曲、マジでヤバイですよ(若者言葉の意味で(笑))(*´▽`*)

まず、第3番『英雄』を聴いてみましょう。



編曲ものとは思えないようなピアノ音楽としての自然さ!!生まれながらの超絶ピアノソナタにしか聞こえません。さすがリスト様です。でも、言うまでもないことですが、原曲の素晴らしさがあってこそです。だって、ベートーヴェンのシンフォニーですもんね。演奏は、リスト編曲ベートーヴェン交響曲ピアノ版の全曲録音で有名な、シプリアン・カツァリスです。

次は6番『田園』です。優雅な旋律が印象的な『田園』交響曲を、リスト様はどう編曲しているのでしょう?



さすが、打楽器的な『英雄』に比べると、メロディ重視に仕上がってます(*´▽`*)
『田園』はカツァリスの動画が見当たらなかったので、ロシアの有望株(らしい)Andrey Gugninさんの演奏です。彼のピアノは典型的なロシアンピアニズムなのかなぁと思うのですが、息の長い歌が『田園』にとてもふさわしく思えます。Gugninさんの演奏、めっちゃストライクです~~。私の中では、『田園』交響曲のフィナーレ(動画で言うと37分30秒辺り以降)がベートーヴェンのあらゆる曲の中でも一番好きなものの一つです。生まれながらのピアノソナタの方の『田園』ソナタも、『田園』交響曲も、どっちも素敵です♡ ベートーヴェンはのどかな田園生活が好きだったそうなので、そういうことも関係しているのでしょうね。

3曲目は、「のだめ」で知名度と人気が一気にアップした第7番です。演奏は、再びカツァリスさんです。ワーグナーがこの曲のことを「舞踏の聖化」と呼んだように、リズム重視の曲ですので、いかにもピアノとの相性が良さそうです。



ブラヴォー!!!!
「のだめ」でもごく一部流れましたけど、全曲聴くと凄さが別次元です\(◎o◎)/!

こうやってベートーヴェンの交響曲の中でも特に好きな3曲のリスト編曲版を並べて聴いてみると、「ハイパーソナタ」という表現でも全く不十分な気がしてきました。なんかもう、もはや人間業じゃないとしかいいようがない。

今回は、ベートーヴェンイヤーに向けて、鑑賞の方も「祭り」を開幕させてみました(^_^)/
余談ながら、タイミングよくHMVからカツァリスの全集を超お買い得価格で販売中というメールが届いたので、迷わずポチってしまいました!!


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tag : ベートーヴェン,交響曲,リスト,リスト編曲版,

プロも「ハイドン苦手」!?-交響曲編

私が今練習している曲の一つはハイドンのピアノソナタ34番ホ長調(Hob.XV:34)ですが、私の口癖の一つに「ハイドン弾くの苦手」というのがあります。一つには(というか最大の理由は)、私の指が、大量に出てくる高速のパッセージを処理する能力に乏しいからです。当時の軽いタッチのフォルテピアノだったらもう少し弾きやすいかもしれません。ただ、最近、練習を積み重ねるに従って、曲の内容の面でも一筋縄ではいかないような気がしています。

そう思いながら、ハイドン交響曲に関する本『ハイドン 106の交響曲を聴く』(井上太郎、春秋社)を読んでいたら、その中に引用されている指揮者の岩城宏之さんの次の言葉が、なるほど!!と、とても腑に落ちました。

百以上書かれたハイドン交響曲は、気軽にきいていれば、どれも単純明快で、テンポ変化もないし、始まればそのまま、一気呵成に終わってしまえるように思える。しかしちょっと調べると、フレーズの入りくみ方など、モーツァルトやベートーヴェンよりはるかに複雑だし、第一、アンサンブルの難しさは、後のロマン派の作曲家たちの比ではない。(中略)こんなにも複雑で、しかも単純明快に聞こえると言うのは、音楽史上数多い天才たちの中でも、特別にものすごい人だったと思う。(『楽譜の風景』(岩波新書)より)


岩城さんは指揮者なので、交響曲について言っていますが、ピアノソナタにも共通すると思いました。今弾いているソナタ34番は、対位法的処理はあまり目立たない曲ですが、それでも、「フレーズの入りくみ方」がややこしいと思える部分は結構あります。

それから、ハイドン特有の唐突さ、つまり、強弱の急激な変化とか、休符の大胆な使い方による急停止・急発進的な曲想には、スムーズに入り込むのが難しいように思えます。「入り込む」といっても、ロマン派以降とは違うものが求められている気がします。しかも、唐突でありながら古典のかっちりした枠組みを壊してはいけない。いや、かなり難物ですよ(^^;;
この点は、ハイドンの交響曲44、51、52番を収録した手持ちのCDの解説書に書いてあった次の部分(音楽学者の飯森豊水さんという方が書いている)が、これもピアノソナタにも通じる!と納得できました。

ハイドン交響曲の演奏でいつも問題となるのは、一言でいうならば、内容的な表現と形式感のバランスである。ハイドンにおける、感情的、情緒的な表現、ユーモアのセンスなどは彼独特の形式感と分かち難く結びついており、こうした内容的な表現を強調し過ぎては形式を見失ってしまうし、逆に、表現を抑制し過ぎてただ形式を整えるのみでは作品の面白みは失われてしまう、一般的にハイドンを演奏する際に指揮者が苦労するのは、その感情的・情緒的な内容を見つけ出して表現することよりも、そうした内容を充分に織り込みながら堅固な形式感のうちに捉えることができるか否かという点にかかってくるのだ。


ハイドンの交響曲は、プロの指揮者も「苦手」と言うぐらい難物なのに、人気の面では…??ですね。ま、ビジネス的にと言うか、大人の事情を考えますと、取り上げる機会がごく限られてしまうのも仕方ないかもしれません。勿体ないことではありますが…。

せっかくですので、上記のハイドンの特徴が一番よく出ていると思われる、中期の交響曲の中から、今練習しているソナタと同じ調性の傑作、交響曲第44番ホ短調『哀しみ』のYouTube音源をご紹介しておきたいと思います。とても心惹かれる好きな曲です。


指の運動の問題を早くクリアして、上記のような課題に焦点を当てて取り組めるようになりたいものです。「ハイドン弾くの苦手」ですが、ハイドンって、課題としてはチャレンジングで意外と楽しいんですよね~~

あと、ショパンみたいに専らピアノ曲しか書いていない作曲家は別として、シンフォニーや弦楽四重奏などピアノ以外の色々なジャンルの作品を聴くことで、ピアノの練習も音楽鑑賞も相乗効果的に楽しさが増しますね(≧▽≦)

余談ですけど、次の記事が200本目です!

tag : ハイドン,交響曲,哀しみ,岩城宏之,

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プロフィール

NekoUshi

Author:NekoUshi
◆数年おきにピアノがマイブームになり、挫折と再開を繰り返しています。
◆バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンが特に好きです♪
◆レッスン歴は、子供の頃と大学生の頃(25年ほど前)に少々。現在は独学です。
◆独学の記録を時々「セルフレッスン」という名の仮想(妄想?)レッスンの形に仕立てて書いてます♪

練習中&終了曲
◇レッスン課題
・チェルニー40-31番
・バッハ 平均律第1巻17番 変イ長調
・ベートーヴェン ソナタ第22番ヘ長調

◇ベートーヴェン祭り
・ベートーヴェン ソナタ第28番イ長調~第3楽章

◇自主練
・チェルニー『毎日の練習曲』2番

◇憧れの無謀曲 寝かせ中
・リスト『バラード 第2番』
・シューマン『幻想曲』第2楽章

◇2020年の終了曲
・シューマン 3つのロマンス~第2番 嬰へ短調 Op.28-2

◇2019年の終了曲
・チェルニー30-23番
・チェルニー40-27、28、29、30番
・チェルニー左手24-19番
・バッハ シンフォニア14番、12番、7番
・ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第10番ト長調~第1楽章
・ショパン『幻想即興曲』
・メンデルスゾーン『春の歌』

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